アラフィフの“仕事しすぎない”日常

静かなる退職を実践するアラフィフが日々気になることを書いていきます。

高市政権初の予算案を見て感じた「責任ある積極財政」への疑問

高市政権で初となる2026年度予算案が公表され、一般会計総額は122兆3092億円と過去最大規模になりました。25年度当初予算から7兆円以上の増加です。
インフレの影響で税収は過去最高水準に達しているにもかかわらず、新規国債発行額は増加しました。この数字を見て、素直に「本当に財政は持続可能なのか」と疑問を持ちました。

「規模は追わない」はずだったのでは?

高市首相はこれまで、「いたずらに拡張的に規模を追求するものではない」「責任ある積極財政」を繰り返し強調してきました。しかし、今回の予算案は8月の概算要求とほぼ同水準で着地しています。

概算要求に盛り込まれていた施策の多くは、25年度補正予算に前倒しで計上されたとされています。本来であれば、その分26年度予算は圧縮されてもおかしくありません。それにもかかわらず、結果は過去最大規模です。この点はどうしても違和感が残ります。

PB黒字化は「見かけ」だけでは?

政府は、基礎的財政収支(PB)が28年ぶりに黒字化すると説明し、「財政規律は維持されている」と強調しています。しかし、補正予算の執行が翌年度にずれ込むことで、実際には国・地方のPBが赤字になる可能性も指摘されています。

数字上の黒字と、実態としての健全性は別物です。将来世代に負担を先送りしていないか、より厳密な検証が必要だと感じます。

歳出改革は掛け声倒れに終わった印象

自民党日本維新の会は連立合意書で、「肥大化する非効率な政府の見直し」や「租税特別措置の廃止・縮小」を掲げました。しかし、371項目ある租税特別措置のうち、廃止はわずか3項目、縮小も18項目にとどまっています。

その一方で、新たな設備投資促進税制が創設され、改革効果は相殺されました。「改革を断行する」という言葉とは裏腹に、実際の切り込みは非常に限定的だったと言わざるを得ません。

社会保障費と医療費の膨張

診療報酬改定では、財務省が抑制を目指していた本体部分が、首相裁定で3%以上引き上げられました。その結果、社会保障関係費は7600億円超の増加となっています。

また、維新が主張していたOTC類似薬の保険適用除外も、日本医師会などの反発で見送られ、患者負担の一部増加にとどまりました。医療費削減効果は約900億円と限定的です。構造的な改革には、まだ踏み込めていない印象です。

市場はすでに「警告」を出している

金融市場では、長期金利が急上昇し、約26年ぶりの水準に達しました。市場は、財政規律の緩みを敏感に察知しています。

政府は「成長率が金利を上回れば問題ない」と説明しますが、これまでの低金利は金融緩和による側面が大きく、日銀が利上げに転じた今後も同じ前提が成り立つとは限りません。

もし金利上昇が続けば、利払い費が急増し、財政をさらに圧迫します。最悪の場合、国債や円への信認低下につながり、急激な円安やインフレで国民生活に大きな影響が出る可能性もあります。

「積極財政」の責任とは何か

積極財政そのものを否定するつもりはありません。必要な分野への投資は重要です。ただし、それには同時に「どこを削り、どう持続可能にするのか」という責任が伴います。

今回の予算案を見る限り、「積極」な部分ばかりが目立ち、「責任」の部分が十分に示されたとは言い難いと感じました。今後、政権が市場や国民の不安にどう向き合うのか、引き続き注視していきたいと思います。