アラフィフの“仕事しすぎない”日常

静かなる退職を実践するアラフィフが日々気になることを書いていきます。

税収「80兆円時代」へ――過去最高を更新する一方、国債発行は拡大。財政はどこへ向かうのか

2025年度の国の税収が、ついに初の80兆円台に達する見通しとなりました。
6年連続で過去最高更新。賃上げや企業収益の改善が続き、税収は順調に伸びています。

しかし一方で、補正予算のために11兆円超の追加国債を発行する方針も示され、財政悪化への懸念が改めて強まっています。

「税収は過去最高なのに、なぜ借金が増えるのか?」
今回はその背景と、いま日本の財政が置かれている状況を整理します。


■ 税収80.7兆円へ:賃上げと企業収益が押し上げる

政府が当初見込んでいた税収は 77.8兆円程度。
しかし、次のような要因で2.9兆円以上の上振れとなりました。

  • 賃上げによる所得税収の増加

  • 企業の好調な収益による法人税収の伸び

  • 物価高による消費税収の増加

結果として、2025年度の税収は 約80.7兆円へ。
税収が80兆円台に乗るのは初めてで、日本の財政史においても大きな転換点といえます。


■ それでも足りない…補正予算に11兆円超の国債

税収が増えているのに、なぜ国債発行は増えるのでしょうか?

理由は、政府が打ち出している大規模経済対策にあります。

2025年度補正予算案(一般会計)は 17.7兆円程度とされ、そのうち11兆円以上を追加国債で賄う 方針です。

内訳は以下の通り:

特に赤字国債は、前年度補正の約2倍。
税収増を上回る規模で国債発行が増え、財政は確実に膨らみ続けています。


■ 「税収の上振れ分を使っても足りない」という現実

税収が増えていることは確かに喜ばしい一方、問題は「増えた税収を使っても、なお巨額の国債が必要」という点です。

経済対策は「積極財政」を掲げて拡大傾向にありますが、日本の税収構造でそれを支えるのは難しく、最終的には国債に依存せざるを得ません。

国債発行額(当初+補正)は前年度を下回る見込みとされていますが、これは前政権の抑制が大きく影響しており、実質的には強めの財政拡張と評価されます。


■ 市場は財政悪化を懸念:金利上昇と円安の圧力

国債発行の増加は、市場に以下のような反応を引き起こします。

  • 国債の供給増 → 長期金利が上昇しやすい

  • 財政悪化懸念 → 円安が進みやすい

実際、すでに長期金利は上昇基調にあり、為替市場でも円安が継続しています。

国債の大量発行はマーケットの警戒を招く」
この構図は昔から変わっておらず、日本経済にじわじわと圧力を与えつつあります。


■ 税収は増えているのに国債も増える理由とは?

ここには日本財政の構造的な問題が横たわっています。

  • 社会保障費は人口構造的に増え続ける

  • 物価上昇に伴い、支出も膨張

  • 景気対策は政治的に削りにくい

  • 税収増でデフレから脱却する途中のため、支出削減は難しい

税収が増えても、財政の“穴”のほうが大きいため、補填には国債が使われ続けるという状況です。


■ 「税収最高」「国債最高」――これが日本の新しい常態か?

近年、日本は“税収は増えているのに財政赤字も拡大する”という状態を繰り返しています。

景気対策を優先する以上、この流れは当面続くでしょう。

ただし、この状況が長期的に持続可能かと言えば、市場の懸念や金利上昇リスクを考えると、答えはやや不透明です。

今後は、

  • 積極財政の継続

  • 税制改革(金融所得課税もその一環)

  • 社会保障制度の見直し

などが、より一体で議論される局面に入っていきそうです。


■ まとめ:税収増は追い風だが、財政の課題は深刻

2025年度の税収80兆円突破は明確なポジティブ要因ですが、同時に国債発行額の拡大は避けられず、日本の財政運営は相変わらず“綱渡り”の状態が続いています。

経済対策による成長と、財政健全化――
この二つをどう両立させるのかが、日本の今後の大きなテーマになるでしょう。