アラフィフの“仕事しすぎない”日常

静かなる退職を実践するアラフィフが日々気になることを書いていきます。

医療崩壊はもう現実か?診療報酬改定と病院倒産時代の今を考える

今日は、ここ最近注目が高まっている「医療機関の経営危機」について、じっくり書いてみたいと思います。

ニュースを見ていても、「病院の倒産が過去最多ペース」「診療所の4割が赤字」など、穏やかではない見出しが並んでいます。これは決して一部の地方の話ではなく、東京の大学病院ですら「このままでは潰れる」と訴えるほど、事態は深刻です。


医療機関の現実:物価は上がるが、報酬は据え置き

医療機関の主な収入源は、言うまでもなく診療報酬です。しかしこの報酬は、国が決める「公定価格」。病院が自由に価格設定できるわけではなく、2年に1度のペースで見直されます。

それに対して、出費の方はというと──
・人件費
・医薬品
・医療材料(ガーゼや手袋)
水道光熱費
・外部委託費(清掃、検査、保守など)
すべてが右肩上がり。

特に、大学病院のような最先端医療を担う施設では、必要な医療機器が億単位。MRIで3億円というのも当たり前の世界。それでも、診療報酬は「一定性能までの機器」にしか対応しておらず、高性能なものを導入すれば赤字確定というのが実情です。


「もう限界」…病院の現場の叫び

大学病院をはじめとする多くの医療機関が、「このままでは経営が続かない」と声を上げ始めました。

現場では、老朽化した医療機器を無理に使い続けたり、医療材料を病院同士で共同調達したり、極限の工夫がなされています。
中には、「休憩時間は事務室の電気を消して節電」という話まで出ています。


赤字でも使命感で支える医師たち。でも…

医師や看護師など、現場のプロたちは「人の命を守る」という強い使命感で、厳しい労働条件や待遇の中でもなんとか医療を続けています。

しかし、その献身にも限界はあります。
大学病院の医師は、教育・研究・地域派遣なども担っており、給与面では他の国立病院に比べて年収が500万円近く低い場合も。

「民間から戻ると年収が大幅に下がるけれど、最新医療を学びたいから大学病院に戻ってくる」という話は感動的ではありますが、それに甘えていては、人材の流出は時間の問題です。


それでも「診療報酬の引き上げ」には慎重な声も

当然、報酬を引き上げれば、医療機関の経営は改善される可能性があります。

しかしその分、国民の保険料負担や窓口負担が増えるという課題も出てきます。これが政治的なジレンマ。特に物価高で家計が圧迫されている今、「医療費がもっとかかる」となれば、反発の声が出ることも予想されます。

それでも、今のままでは病院が次々と消えていく未来しか見えません。現に、今年上半期だけで35件が倒産。年間70件に達する勢いです。


今、私たちができることは?

医療は「誰かの問題」ではなく、「いつかの自分自身の問題」です。

医療機関の声に耳を傾ける
✔ 医療費の構造について理解する
✔ 政策に関心を持ち、投票行動に活かす
✔ 無駄な受診を控え、医療資源を守る

こうした一人ひとりの意識が、医療崩壊を少しでも食い止める力になります。


最後に:医療に値段をつけるということ

診療報酬の話になると、つい「お金の問題」として片付けられがちです。

でも、病院も、医師も、看護師も、現場の人たちは人間です。
最新の医療機器も、正当な評価がされなければ、導入すらできません。

「命を守る」ための対価は、決して削っていいものではないと思います。

医療崩壊という言葉が「比喩」ではなく「現実」になる前に、政治の本気、そして私たち市民の本気が求められているのではないでしょうか。